日本の製造業・生産管理の立て直しの課題と改革の方向性

~現場視点の積上型生産管理ではなく、マネジメント視点の生産管理構築を目指す~ 当連載では、製造業の実態を先ず理解し、原因の探索と対応策を解説していきます。連載後半からはその前提を踏まえた上でどうあるべきかをご紹介いたします。

日本における生産管理の課題とは?

当コラム連載では、まず第1回「日本の製造業が直面する問題と新たな潮流」皮切りとし、日本の製造業の工場が置かれている状況と、直面するトレンドによってますます追い詰められている状況を示します。

現在における日本の製造業の工場管理は、人的依存が強く、製造作業以外の業務がほとんど標準化、仕組化していません。生産計画、作業指示、実績収集、購買計画、購買発注のほとんどの業務が属人化して、表計算ソフトで回っています。
勤勉で優秀、かつまじめな人が今後も継続的にいればなんとかなるでしょう。しかし、ここにきて、人に依存した仕事では、工場の管理が困難になる状況が生じています。


それが、①人口減です。現場主義への依存、特定の人への依存は困難になっていきます。そして、②グローバル化です。フレームワークを持たず、なし崩し的に海外工場を展開してきた日本企業は、各国工場の管理がお任せでHQとしての統制ができていません。そして、③ITの進展に対し、まともに追随して、先行する行動は皆無です。
こうして、優秀な人に頼れなくなっていく、日本の工場は、必然的に、仕組化、標準化、IT化が必要ですが、残念ながらそうした対応が遅れに遅れています。

当連載では、その実態を先ず理解し、原因の探索と対応策を解説していき、連載後半からはその前提を踏まえた上でどうあるべきかをご紹介いたします。

本コラムの内容が、日本の製造業における改善の一助となれば幸いです。

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