納期短縮する方法とは?リードタイムとの違い・システムの事例紹介

納期短縮する方法とは?リードタイムとの違い・システムの事例紹介

顧客からの信頼を勝ち取り、顧客満足度の向上と自社の価値向上を目指すなら
「納期短縮(リードタイムの短縮)」にも目を向ける必要があります。

そもそも、予定する納期よりも早めに納品してほしいという顧客もいるでしょうし、受注後にいわれるケースも珍しいことではありません。
そんなとき、どの工程にかかる時間を短縮するのかを瞬時に判断できるように準備をしておくのはとても大切です。

そこで今回は、納期短縮を軸に、納期とリードタイムの違い、リードタイムが長いデメリット、リードタイムを短縮する方法などについてご紹介します。
製造業に従事している方は、ぜひご参考にしてください。

目次




納期短縮する方法とは

まずは、納期短縮の方法を3つ解説します。

作業を減らす

1つ目は「作業を減らす」です。製造業の工程には「開発」「部品・材料の調達」「生産・製造」「配送・輸送」などがありますが
これらの工程そのものや、かかる時間を減らすことができれば納期までの期間を短縮できます。

例えば、部品があれば開発と調達にかかる時間をカットできますし、製品の在庫があれば配送だけで完結できます。
また、製品を先に納品し、メンテナンス用の部品や器具などを後から納品するという手順にすることでも
最初の納品日を前倒しにすることは可能でしょう。いかに作業を効率良く進めるかが、納期短縮には欠かせないのです。

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生産性を上げる

2つ目は「生産性を上げる」です。現場における作業の生産性が上がれば、必然的に納期短縮につながります。
ただ、現場作業員を急かして作業をさせても、生産性の効率化は図れません。
むしろ、作業員に負担がかかり、疲労やモチベーションの低下から作業効率が落ちることが予想されるため悪手といえるでしょう。
人員を増やして作業の分担を行ったり、システムを導入して自動化したりと、現場に無理のないよう進めることが重要です。

作業工程中の待ちを解消

作業工程によっては、現場を監督する上司からの承認待ちなどで時間を浪費するケースもあるでしょう。
しかし、承認待ちや指示待ちに時間がかかると納期に影響が出ることもあるため、あまりスマートな対応とはいえません。
部下の人となりや仕事に対する姿勢をみて、権限を持たせても問題ないのであれば、部分的に権限委譲をしても良いでしょう。
そうすることで待ち時間が減り、その分作業を効率良く進められるようになります。



リードタイムと納期の違い

納期は「納品完了期限」、リードタイムは「発注〜納品までの期間」を意味しています。
より簡単にいうなら、納期は「○月○日(○曜日)」、リードタイムは「○日間」のように表します。
リードタイムは、製品の開発や発注、調達、生産・製造、出荷、配送・輸送、納品までにかかる全ての時間を指しています。
つまり、顧客から予定よりも早めの納品をお願いされたとき、実際の現場で意識しないといけないのは「リードタイムの短縮」です。

どの工程にかかる時間を短縮するのか、短縮できるのかを判断しなければならないため
納期短縮を実現するにはリードタイムについても詳しく知っておく必要があります。



リードタイムは主に5つ

リードタイムとして使用されるシーンは、主に下記の5つです。

調達リードタイム

「部品・材料の発注〜納品にかかる時間」のことです。これには、部品・材料の選定、調達先の選定、社内および調達先との交渉なども含まれる他、調達先によってはこちらが発注してから材料を作ることもあるため、それらにかかる時間も調達リードタイムに含まれます。

生産・製造リードタイム

「生産・製造が始まってから完了するまでにかかる時間」のことです。実際の作業にかかる時間はもちろん、工程間の滞留時間(待ち時間)も含まれています。

出荷リードタイム

「工場や倉庫へ製品の出荷を依頼してから、実際に出荷されるまでにかかる時間」のことです。
人員を補充したり、工場や倉庫内の製品整理・管理を見直したりと、出荷を依頼する現場の改善を行う必要があるため、リードタイムの短縮が難しい傾向にあります。

配達・輸送リードタイム

出荷後、「注文先に製品が納品されるまでにかかる時間」のことです。配送・輸送はトラックや飛行機、船などで行われるため
交通状況や天候などに左右されます。場合によっては無事に納品されるまで時間がかかることもあります。
自社に配送部門を作る、または配送業者と細かくやり取りを行うことで、リードタイムを短縮できる可能性があります。

開発リードタイム

「製品開発にかかる時間(企画立案〜開発着手までの時間)」のことです。
市場調査、競合他社の調査・分析などにかかる時間も含まれます。



リードタイムが長いことのデメリット

リードタイムが長くなると、下記のようなデメリットが発生します。

販売の機会損失

リードタイムが長くなると、納品までに時間がかかるため、販売の機会損失につながります。
例えば、発注〜納品までに5日間かかる企業と10日間かかる企業があった場合、コストがそこまで変わらなければ前者の企業を選ぶ方が圧倒的に多いでしょう。

過剰在庫を抱える・在庫管理コストが上がる

生産・製造リードタイムが長くなると、仕掛在庫(半製品の在庫)が増えて過剰在庫を抱えることになり、在庫管理コストが上がります。
ただし製造業の場合、機械・器具などの大きなものを作るほど生産・製造リードタイムが長く仕掛け在庫も増えますが
食品などは生産・製造リードタイムが短く仕掛け在庫も少ないです。その仕組みにあてはまるならあまり問題はないかもしれませんが
生産・製造リードタイムは短いのに仕掛け在庫が多い場合には注意が必要です。

各工程のリードタイムの長さはもちろん、前工程と後工程の作業開始時期にズレがないか
また各工程の能力に大きな差がないかを確認することをおすすめします。

顧客満足度が下がる

納期までのスピードが遅いと、顧客満足度が下がります。
遅れがないように思えても、他社と比較した場合に遅いと思われると、たちまちマイナスイメージとして定着することもあるため注意が必要です。
リピート率にも影響するため、リードタイムの短縮を図りましょう。



リードタイムの短縮方法

こちらでは、リードタイムの短縮方法について解説します。

入庫・出荷作業の効率化

倉庫にある製品の管理方法を見直すことで、出荷リードタイムを短縮できます。
倉庫内が整理されていない場合、製品を見つけるにも一苦労するため、検品や梱包作業に時間がかかります。

しかし、日ごろからきちんと整理・管理ができれば、入庫・出荷作業を効率良く進められます。
また、出荷伝票の入力に時間を要しているときはハンディターミナル(データ収集端末)を使いましょう。
伝票処理がスムーズになるので、出荷までにかかる時間を短縮できます。

人員の増加・教育による技術力の向上

人員を増加したり、教育制度を整えたりすることもリードタイム短縮には欠かせません。
人員が増えると、その分労働力が増えて生産性向上になりますし、いまいる従業員を教育して技術力を高めれば各工程における作業スピードも上がります。
なお、従業員の適正なども考慮し、力を発揮できる場所に配置することも重要です。

ツールの見直し

現在使用しているツールを見直すのも一つの手です。製造に使用している機械・システム・ツールなどが古くなると
求める作業能力にスペックが追いつかないことがあります。
初期費用はかかりますが、生産リードタイムの短縮を考えるなら買い替えを検討することをおすすめします。

下記にて、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社の生産管理システム「R-PiCS」における業務効率の改善方法をご紹介しています。
ぜひ、生産管理システムの比較・選定に役立ててください。

業務の効率を上げたい(Cost)



生産管理システム「R-PiCS」でリードタイムを短縮

こちらでは、生産管理システム「R-PiCS」の導入事例を3つご紹介します。

インテグラン株式会社様

インテグラン株式会社では、受注管理や発注管理、請求管理、納期管理などの全ての処理業務を、全てExcelで行っており
伝票処理に手間と時間がかかっていました。しかし、R-PiCSの導入後は受注から出荷までの業務が新しく構築され、納期管理がスムーズになりました。
また、これまでは各部署の担当者に発注する資材のことや受注についての確認をしていましたが
R-PiCSによる管理で欠品部品の発生や手配漏れなどのミスも少なくなり、各部署が本来の業務に集中できるようになりました。

インテグラン株式会社様の導入事例の詳細はこちら

日本瓦斯株式会社様

日本瓦斯株式会社様では、エアゾール缶の製造・販売部署にR-PiCSを導入しました。
印刷缶として使用する缶のほとんどは製缶会社からの購入品という同社では、製缶ロットが大きく、納期リードタイムが長いことが課題でした。
しかし、R-PiCSによって過不足のない資材購入が実現したことでリードタイムが短縮。小ロット生産が可能になったことで過剰在庫の問題も解決しました。

日本瓦斯株式会社様の導入事例の詳細はこちら

極東高分子株式会社様

極東高分子株式会社様では、食品包装資材の製造を一貫して行っていますが、製造工程が全く異なるため、30年ほど前から自社開発可能なオフコン(オフィスコンピュータ:事務処理特化計算機)で生産管理システムを運用していました。
しかし、プログラムを1か所直すにも時間がかかり、システム改修も徐々に複雑化。
システム部と管理者に大きな負荷がかかっていました。
R-PiCSの導入後は、自動スケジューラを入れることで設定値ごとに工程をパターン化でき、システムを確認すればすぐに機械の負荷状況を確認できるようになりました。それにより、スピーディーな納期回答を実現したり、作業員と機械の工程管理が大幅に改善できました。

極東高分子株式会社様の導入事例の詳細はこちら

装置機械メーカー(M社)

設計&製造BOMの連携により、設計出図~生産・発注手配までのリードタイム短縮と、作業品質の向上を実現しました。

統合BOMオプションについてはこちら


電源機器製造メーカー(O社)

内示手配対象の機種を拡大し、見込生産の生産計画を統合化することにより
リードタイムの短縮が図れるようになりました。

R-PiCS 内示受注についての詳細はこちら

まとめ

納期短縮を要望する顧客は少なくありません。もちろん顧客からの全ての依頼に対応できるとは限りませんが
リードタイムの短縮方法を知っているのといないのとでは、その後の対応は大きく変わります。

システムやツールの導入で改善できることも多いので、いま一度生産管理工程を見直し、各工程のリードタイムに無駄がないかを確認してみましょう。
JBアドバンスト・テクノロジー株式会社の「R-PiCS」は、個別受注生産からリピート生産にいたるまで、さまざまな生産形態に対応した生産管理システムです。
需要予測が行えるため、見込み生産の製造指示や部品の先行手配運用なども可能。リードタイムの短縮や、過剰在庫の防止にも役立ちます。

なお、R-PiCSの機能や製造業における在庫管理の最適化については下記にまとめています。
ぜひ、合わせてご覧ください。

計画生産(見込生産・先行手配運用)(V4/Ex)
製造業では避けられない"在庫管理"を最適化する方法とは?

<文責>

JBATマーケティング 編集部

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