DX/APIそしてスサノオ・フレームワークとは?

■モノリシックなシステムを価値のある存在に変化させる

新年度が始まった2022年4月4日 IPA(独立行政法人情報処理推進機構)は、日本企業のDX推進をめざし
「DX実践手引書 ITシステム構築編(暫定版2.0版)」を公開しました。

今回の改訂では、DX実現のためのあるべきITシステム「スサノオ・フレームワーク」
クラウド、IoT、APIといった技術要素との関連を追記したほか、自社DXの規模および現状に応じたDXの進め方や外部サービスの活用方法など
より具体的なヒントが記載されています。

さて、聞きなれない「スサノオ・フレームワーク」とは一体何でしょうか?

資料の表紙には、何やら神話の絵があります。
三本足のカラスは、サッカー日本代表のシンボルであるお馴染みの八咫烏(ヤタガラス)
ヤタガラスは、神から遣わされたと言われる鳥で、神武天皇の道案内を行い、大和国の平定を手助けしたことから、勝利の導き手、勝利のシンボルという意味があるようです。
そして大蛇の絵。大蛇は八つの頭と尾を持つ八岐大蛇(ヤマタノオロチ)です。
そして、中央の神子が、須戔鳴尊(スサノオノミコト)
今回の手引書は、暴れん坊だけど頭がよく正義感が強いスサノオノミコトをメインキャストに
ヤマタノオロチを退治した神話を描き、およそDX等ITに似つかわしくない絵が表紙を飾っています。

スサノオノミコトは防災除疫の神でもあるので、コロナ禍やサイバー攻撃などのシンボルにもなるかもしれませんが、今回は少し違う意味で使用されています。

*生産管理コラム 94回 基幹システムは 外部攻撃に耐えらえるのか?

 手引書では、ヤマタノオロチを「レガシーなシステム」と見立て、そしてそれらを解決する手段や進め方
スサノオノミコトにあやかり「フレームワーク」化しています。

そしてヤタガラスは、これらを推進するリーダー役です。
本書内では、「モノリシックなシステムであるヤマタノオロチを一つ一つ切り離して、使える部分は形を変えて再生させることで、
害となっていた存在を、価値のある存在に変化させるという想いをこめている」
と記載されています。

モノシリックとは一枚岩のように固い感じで、既存システムやレガシーシステムを指しています。

簡単に中身を見てみましょう。

 まず、 ITシステムを大きく「組織内サービス」「外部サービス」に別けます。
これは上記モノシリックを、スサノオが断ち切るイメージかと思います。
ヤマタノオロチの八つの頭に無理やり別けた感は否めませんが、それぞれ合計で8つです。

なお、競争領域については以下の過去コラムも参照ください。
 *生産管理コラム 82回 デジタルトランスフォーメーション(DX)は進んでいるのか?
 *生産管理コラム 83回 「木こりのジレンマ」が表すDXの阻害とは?
 *生産管理コラム 87回 製造業のオリンピック「ものづくり日本大賞」とは?


・組織内サービス(社内サービス)は以下5つ

 1.競争領域の独自アプリケーション
 2.現行システムと媒介層
 3.データ活用基盤とデータ分析基盤
 4.API(Webサービス同士の通信を実現するための仕組)
 5.システム基盤

・外部サービスは以下3つ
 6.外部サービス
 7.外部共通基盤
 8.外部データソース
各々説明は本書を参照下さい。

汎用機やオフコンなど、数百本~数千本もあるプログラムのレガシーシステムを棚卸する時の分類にも使える印象です。

 社内外の様々なサブシステムと連携するための中心になるのがAPIです。
弊社APIサービス「Qanat Universe(カナート ユニバース)」の需要も高まっています。

 *【初心者必見】APIって何?概要や必要性について徹底解説

 本書のAPI例では「社内の現行業務を維持する業務・基幹システム」と「顧客や取引先との価値提供の媒介を行う競争領域」の連携に利用することや、
現行システムを再構築する際に、移行を助けるため、媒介層が他の ITシステムとの連携をする仲介例が示されています。
媒介層はAPIとオンプレミスを連携させるサービスと読み替えることができます。
そして、外部サービスとの連携もAPIを利用することが挙げられています。
少し難しい用語や論点が含まれる資料ですが、自分がヤタガラスやスサノオノミコトになったつもりで読んでみるのも良いかと思います。

 全体としては、「DXの具体的な進め方はその変革の規模と社内の成熟度を考慮し
モノシリックな仕組みはスサノオが如く分割し、その要素に応じて技術を用いて補完や連携を図ること」
ということが、本書のメッセージだと思います。

ご興味がある方は、以下のサイトを参照ください。
https://www.ipa.go.jp/files/000094497.pdf


さて、新年度となり、製造業においても多くの新入社員を迎えられたかと思います。

弊社サイトでは、新入社員向けの「生産管理の基礎」動画をUPしています。
是非ご活用下さい。
https://www.r-pics.com/seminer_archive/


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