環境変化に伴う「製造業の4つのおそれ」とは?内容を解説


2018年版ものづくり基盤技術の振興施策、いわゆる「ものづくり白書」が発表されました。
ものづくり白書は、経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省で執筆されている異色の白書です。技術面、人材面、教育面の多方から製造業を分析していると思って良いと思います。

今年の「ものづくり白書」のポイントでは、「大規模な環境変化に伴って、全ての経営者が持つべき4つの危機感」と題して、「おそれ」が記載されています。今回はそれらを簡単にご紹介します。

一つ目は、「人材不足に対する対応不足のおそれ」です。

従来の暗黙知である職人技やすり合わせ等から成り立つ現場力。深刻化する製造業の人材不足の中、それら現場力の維持・強化が必要であるとされています。
特に人材と言う量の不足だけではなく、質的変化、不足に気が付く必要があると言う事です。
確かに、製造業のお客様へ行くと、最近は「ITが判る人材が少ない」とか「資材発注は彼しかできない」などの人材不足の話しを聞く事が多々あります。

二つ目は、「強みが変革を遅らせるおそれ」です。

これまで自社で強みとして考えていた例えば特殊技能や技術、高い品質がいつの間にか、陳腐化したり競争劣位になっている事です。
過信があると変革の必要性に気が付かないおそれがあります。
これはものづくりそのものの以外にも、たとえば自社へ要求されている保守などのサービスが、ユーザーが本来要求している範囲や内容に比べ、大きく不足している事を気づかず、いつの間にか、保守解約や機器本体を他社へ買い替えされている場合などです。

三つ目は、「デジタル化時代を単なるブームと認識しているおそれ」です。

社会のデジタル化やIT化を単なるブームと思い、ブームはいつか去ってしまうので、気にする必要は無いする誤解です。特に足元の好調な受注などあると、IT導入や変革のタイミングを逃してしまうという事です。
もちろん、デジタル化やIT化が改革の唯一の要件ではありません。
ただ、改革を図る上での手段としては、従来に比べ安価に手軽の導入しやすくなり、その他の手段より確実に成果を見えやすくしている事も事実かと思います。

四つ目は、「非連続的な変革が必要であるという認識不足のおそれ」です。

この結論は本文を読んでも少し判りづらい内容です。
白書に記載されている「事例」から判断すると、「自社の技術に固執せず他社との連携し、各社の強みを持ち寄り新製品開発する例」や、「世の中の変化や流れに対して常に感度を高く持ち、時代の流れをしっかり捉え、外注先や仕入先との相談しながら対応を図った例」を「非連続的な変革」(自社で全て対応を図る=連続)と言っているようです。
つまり、自社では対応不可だから変革が難しいではなく、他社との連携など協業で変革を図る事ができるはずだと解釈するば良いと思います。

このように、大規模な環境変化に対し、経営視点でものづくりを考える場合、上記4つの「おそれ」に注意が必要としています。

併せて、これに対する主要課題も挙げられています、以下の2つです。(参考、生産管理コラム 第2回 「問題と課題 使い分けていますか? )

1.深刻化する人手不足の中での現場力の維持・強化、デジタル人材等の人材育成・確保の必要性。
2.「モノ」の生産という意味での競争力の源泉が相対化、「モノ」から「サービス・ソリューション」への付加価値が移行。新たな環境変化に対応した付加価値獲得の必要性。
(参考、生産管理コラム 47回 「製造業の「モノからコト」へのシフトとは?
(参考、生産管理コラム 27回「製造業の生産性と付加価値とは?

白書では、付加価値の獲得、省人化や技能承継を実現するためには、これらを「経営課題」と位置づけ、経営主導で対応を進めるべき・・としています。

皆さんの会社では如何でしょうか?


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