生産管理コラム 47回 「製造業の「モノからコト」へのシフトとは?」

マーケティングの格言に「ドリルを買う人が欲しいのは穴である」という言葉があります。
50年前、米国ハーバード大学教授のセオドア・レビット博士が発表した「マーケティング発想法」という本の中で紹介されたものです。
(日本では原文から少し意訳されて伝わっています)

意味としましては、顧客はドリルが欲しいわけでは無く「穴を開けたい」ということがニーズであって、ドリルが売れた表面的な状態だけを見ていてはダメだ! という事です。ドリルに代わる、もっと安価で丈夫な「穴を開けるモノ」があれば、代替されるという意味でもあります。

本コラム第11回  「取引構造のメッシュ化とマーケティングはできていますか?」でも書きましたが、現代マーケティング論で著名な米国経営学者であるフィリップ・コトラー氏が言うには、

「ニーズ」とは、欠乏を感じている状態である。
「欲求」は、人のニーズが具体化したものであり、
「ニーズ」を満たす特定の対象のことである。
「需要」は欲求に購買力が伴う事である。

これを「穴」に当てはめてみると、下記のようになります。

「ニーズ」は「穴を開けたい」
「欲求」は「ドリルで1インチの穴を開けたい」
「需要」は「1インチの穴を開けるために1ドルを払いドリルを買いたい」

少し無理矢理感がありますが、いずれも「ナニナニしたい」です。つまり「体験/経験」です。

さて、今回のテーマは「モノ」と「コト」です。
「時代はモノ消費からコト消費へ」そのような表現をするニュースを多く見かけます。
商品の「所有に価値」を見出す消費を「モノ消費」、商品やサービスを購入したことで得られる「体験/経験」に価値を見出す消費を「コト消費」といいます。
上記の例であれば、ニーズ・欲求・需要はいずれも「コト」と言えます。

ものづくり製造業では、材料や原料に付加価値をつけ、見える姿・形に変え、ドリルのように「モノ」として消費者へ届けます。
別の例では、装置産業の機器(モノ)を製造販売し、保守サービス(コト)でさらに顧客価値を維持管理するイメージです。
最近は、付加価値(収益)として、前者ものづくりより、後者の保守サービスがより高く、「バスタブ曲線」(U字型のグラフ)として表されます。(もう片方の高い付加価値は設計)。

ただ、多くの中堅中小の製造業では、このような「コト消費」について深く調べたり、マーケティングを行う力は弱く、相変わらず「安くて良いものは、売れる」的ものづくり志向が強いのではないでしょうか?
製造業にとって「モノ」と「コト」はセットのはずです。自社製品の顧客経験(Customer Experience)を如何に把握するか?
「コト」を「モノ」にどう活かすか、または「モノ」を「コト」にどう活かすか、相互に関係を持つ必要があるように思います。
このように、顧客側の視点に立って「顧客が商品を買う過程でどう感じたか」を管理する 考え方は「顧客経験価値」(Customer Experience Management)といいます。

CEMには、それを考える以下のような切り口あります。

  1. Sense
    顧客にどのような感覚を持ってもらうか
  2. Feel
    顧客にどのような情緒になってもらうか
  3. Think
    顧客にどのような好奇心を持ってもらい、何を創造してもらうか
  4. Act
    顧客にどのように体感してもらうか
  5. Relate
    顧客に他者とどのような一体感を感じてもらうか

また、顧客経験価値を高めるには、以下のような切り口のプロセスがあります。

  1. モニタリング
    顧客をより深く知る
  2. 分析
    モニタリングした結果から、顧客に対して最適な顧客経験価値を導き出す
  3. 計画
    分析結果に基づき顧客経験価値を設計・創造する
  4. 実行
    計画にて設計・創造された顧客経験価値を実際に行う

上記4つの要素をプロセスとして繰り返し管理します。PDCAとほぼ同じですね。
モノが氾濫しているなか、「よいモノ」を「ほしいモノ」に変えるためのコトづくりは、今後益々ものづくり現場では、欠かせないものになると思われます。

さて、皆さまの製品「モノ」に対応する「コト」はなんでしょうか?


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