RFPのメリットとは?RFIとの違い・作成手順・注意点を徹底解説!

RFPのメリットとは?RFIとの違い・作成手順・注意点を徹底解説!

DX化への取り組みの一つとして、新たなシステムの開発・リプレイスする企業は多いでしょう。しかし、システム開発では発注側と開発側で認識のズレが起きる可能性があります。そうすると、想定とは異なったシステムが納品されてしまうため、実際にシステムを導入するまでに多くの期間を要してしまうのです。発注側と開発側、双方のズレを少なくする方法には「RFP(アールエフピー)」が有効です。

そこで今回は、RFPの概要やメリット・デメリット、作成手順、RFPの策定ポイントについてご紹介します。ぜひ、ご覧ください。


目次



RFPとは

r-pics_blog_pic1.png

RFPとは「Request for Proposal」を略した言葉で、日本語に翻訳すると「提案依頼書」です。
システム開発において、RFPは大きな役割を持っています。

RFPの意義

RFPを作成することで、「なぜシステム開発をするのか」「どんなシステムが必要なのか」などという点を開発側に伝えられます。

冒頭でも述べたように、システム開発における不安要素の一つは「発注側と開発側の認識のズレ」です。発注側が何に悩んでいて、どんな課題を解決するためにシステムを導入するのかを開発側も知っていなくては、最適なシステムを構築することなど不可能でしょう。
「どうしたいかはミーティングなどで伝えれば良い」「途中で軌道修正すれば問題ない」と思う方もいるでしょうが、言葉はニュアンス一つで違った捉え方をされることもありますし、軌道修正には時間も労力もコストもかかります。
しかし、最初からRFPを作成して書面に起こすことで、システム開発の意図をはっきり伝えられます。双方の認識のズレや不足が生じるリスクを最小限にできるため、システム開発をスムーズに進められるはずです。

RFPを作成するのは発注側

システム開発において、RFPを作成するのは発注側の役割です。システム開発における具体的な提案を開発側に依頼するために作成します。

RFPの作成には多少の時間がかかるため、できるだけ避けたいと考える方もいるかもしれません。しかし、RFPを作成・提出することで自社システムの現状と課題、開発目的などの要件を双方で把握できるようになります。加えて、開発側においては自社の知識と技術で対応できるかどうかを見極められるため、さまざまなリスク・進行中のトラブルを事前に回避できます。

RFPに含まれる内容

RFPに含まれる内容には、「自社の抱える課題」「システムを開発する目的」「システムに組み込みたい機能」「運用・保守」「予算規模」「開発スケジュール(工数)」などがあります。こうした情報を詳しく開発側に伝えることで開発側との認識のズレをなくすことができ、また開発側から最良の提案を引き出すことにもつながるのです。それにより、望むとおりの自社システムを構築できるようになるため、システム開発においてRFPは重要といえます。

設計情報と製造情報の連携機能

PDMでは、設計情報と製造情報の分断により発生していた手間や、ミス・手戻りを最小限に抑えると共に
製造側で持っている部品情報を設計側と連携・共有管理することで統合管理が可能です。

RFIとの違い

RFPと似た言葉に「RFI(Request for Information)」と呼ばれるものがあります。日本語に翻訳すると「情報提供依頼書」となり、システムの発注側である企業がSIer(エスアイヤー)※やベンダーに対し、開発側の企業情報や実績、提供するサービスに関する情報など、提案依頼における必要な情報を提示するよう求めるために作成します。

もっと簡単にまとめると、RFIは「システム開発を任せる企業やサービスの情報を収集するための書類」、RFPは「RFIによって収集した情報をもとに作成するベンダー選定のための書類」といえるでしょう。

※SIer......「System Integrator(システムインテグレーター)」の略称。
ITシステムのコンサルティングや設計、開発や運用、ハードウェア選定などを請け負う企業のことを指す。



RFPのメリット

10_1_1.png

こちらでは、RFPのメリットについて解説します。

設計情報と製造情報の連携機能

RFPを作成することで、問題発生のリスクを軽減できます。例えば、システム開発の要望を開発側に口頭で伝えると、後々「言った・言わない」の水掛け論から問題が起きる恐れがあります。しかし、RFPによって条件内容を明文化しておけば、そうした心配もありません。また、RFPの作成によって社内合意、とくに役員層の合意を書面で取ることができます。書面にすることで、社内外で発生する問題を減らすことができるでしょう。

トラブル防止

システム開発について全社的な希望要件をRFPにまとめることで、正しい情報・要望を不足なく伝えることが可能です。そのため、自社には必要のない機能が搭載されている、システム導入後に現行システムと連携できない、などといったトラブルが発生しづらくなります。

また、システム開発においては、見積もり・納期に関するトラブルが起きがちです。例えば、「予算が少なくて開発規模と見合っていない」という場合、予算が足りないことを理由にシステム開発がストップしてしまうかもしれません。「納期が短い」という場合、無理のないスケジュール管理ができず、開発側が負担を強いられてしまうでしょう。急ピッチでのシステム開発は、システムの欠陥・不備を招く恐れがあるため、納品後に重大なトラブルにつながるかもしれません。
現実的な見積もりや納期をRFPによって事前に共有することで、これらのトラブルを防止することが可能です。



RFPのデメリット

こちらでは、RFPのデメリットについて解説します。

作成工数がかかる

RFPの作成には、工数がかかります。とくに、初めてRFPを作成するという企業や担当者の場合、要件を明確にわかりやすくまとめるだけでも一苦労でしょう。しかし、曖昧な部分をきちんと排除するためにも、例え工数がかかっても手を抜かずに作成しなくてはならないのです。


RFP作成の手順

10_1_3.png


こちらでは、RFPの作成までの手順についてまとめます。

開発目的の確認

まずは、システムを開発する目的を確認します。ここが明確化されないと、せっかく作成したシステムが使われないまま終わってしまいます。どうしてシステムを開発するのか、システム導入によって達成したい目的は何かを明確にすることで、システム開発の軸がブレることはありません。

課題把握

次に、現状の課題を把握しましょう。部署によって、また役職によって抱えている課題は異なるため、複数のレイヤー層から情報を集めることが大切です。どのような課題があるのか、優先的に解決すべき課題は何かを把握することで、より良いシステムの開発が行えます。

解決策の立案

課題把握後は、課題に優先順位をつけ、順に解決策を立案しましょう。その際、システムを導入して課題を解決することで本当に目的が達成できるのか、を考えることが大切です。
ただし、課題解決の方法=システム導入だけではありません。業務ルールの変更や組織の体制変更など、あらゆる面から課題解決策を見つけることも重要です。

RFPの作成

「開発目的の確認」「課題把握」「解決策の立案」まで完了したら、RFPの作成に入りましょう。RFPの項目は、主に下記のとおりです。

・表紙

・本書の目的

・システム開発に至った背景

・主な課題と開発目的

・目標および成果

・費用

・スケジュール(納期)

・ターゲット

・提案依頼の範囲

・システム構成、開発言語(現行システム・機器についても記載)

・実現したい機能に関する要求

・運用保守に関する要求

・教育研修に関する要求

・納品物一覧および納品サンプルの明示について

・制約事項やリスクについて

・ベンダー側の体制について

・自社の体制

・会社の情報(基本情報、組織図、年間の商品取扱数量など)

RFPのフォーマットに明確な決まりはないため、開発するものによって項目を追加する必要も出てくるでしょう。アウトラインから固めながら、双方の担当者にわかりやすいRFPを作成してみてください。


RFP策定のポイント

RFP策定のポイントは、下記のとおりです。

システム化の背景を明確にする

システム開発の背景は、できるだけ明確にしましょう。例えば、新たなシステムを導入する理由として多いのは既存システムの老朽化ですが、全てのシステムを刷新すれば良いというわけではありません。
現行システムを活かしつつ稼働するシステムを望むケースも多いでしょう。開発側に伝えるためにも、システム化の背景は明確にしておくとスムーズです。

導入の目的を明瞭にする

導入の課題・目的を細かく記載しましょう。これらは見積もりに影響するため、あらかじめ明示しておかなくては後々になってトラブルを招く恐れもあります。数字にするとわかりやすいケースもあるため、目的ごとにわかりやすく記載しましょう。

RFP策定のポイントについては、下記でも詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
生産管理システム構築におけるRFP(提案依頼書)の注意すべきポイントとは?ベンダー視点で解説


まとめ

RFPを作成することで、開発側との認識のズレを小さくできるため、自社に役立つシステムを構築できます。また、社内や開発側とのトラブル回避・リスク回避にもつながるため、システム開発を依頼する際はぜひRFPを作成しましょう。

個別受注生産や繰り返し生産(リピート生産)など、さまざまな生産形態に対応した管理システムを導入したいという企業・担当者さまには、JBアドバンスト・テクノロジーが提供する生産管理システム「R-PiCS(アールピックス)」がおすすめです。
顧客ごとの仕様変更にも対応できる、生販一元管理を実現。見積もり管理や帳票設計、データ集計・分析のオプション機能もあるため、痒いところにも手が届く細かな生産管理が可能です。

「R-PiCS V4」について詳しく知りたい方は、下記もあわせてご確認ください。

R-PiCS V4|製品紹介

<文責>

JBATマーケティング 編集部

お気軽にご相談ください