ポイント6:高過ぎるハードルの設定
当たり前ですが世の中には、実施すべき順番があります。
小学生は、いきなり大学生にはなれません。中学生、高校生と段階を踏む必要があります。
生産管理システムの構築も同様で、在庫管理が出来ていない状態で、個別原価の把握や工程進捗を見たいと言っても、ほとんどうまく行きません。
まずは、身の丈にあった目標を設定するのが成功の秘訣です。
《ステップ1》基準情報の整備と在庫精度の向上
生産管理の出発点は、基準(マスター)情報です。
最低限必要となる基準情報は、以下の4つです。
・品目マスター
・構成マスター
・工程マスター
・品目発注マスター
これらの情報で、計画展開を実行し発注指示書、出庫指示書、作業指示書が作成されます。 計画展開は、正しい在庫情報なくして、正しい手配情報はできません。
入庫・出庫時にリアルタイムで受け払い処理を行い、常に情報と物が一致する仕組みと習慣をつける事から始まります。
《ステップ2》進捗データの入力と基準情報の精度向上
計画展開がまわり、現場に正しい指示が出せるようになると、次に指示に対する実績データを入力する事になります。
ここでも、情報と物がリアルタイムで一致し、更に作業進捗まで一致する仕組みと習慣がつくと、進捗管理や原価管理ができるレベルに到達します。
ここでの実績データを分析する事により、基準情報の精度を上げる事で、最終目標に到達する準備ができた事になります。
《ステップ3》真の計画系生産管理システムへの移行
ステップ2まで到達すると、標準作業時間、手配リードタイム、設備能力などのデータ精度が確保され、在庫の削減や納期短縮などの目標が高いレベルで達成する事になります。
大手企業以外では一般的に資金や人材に制約があり、短期間で資金と人材を投入するのは困難と見る方が現実的です。
できるだけ少ない投資で短期間に成果を出していくという考えが成功の秘訣です。
小さなプロジェクトを積み重ねて大きくしていく・・・。
そのような成功体験を積み重ねることにより、最終目標を達成する事が肝要です。
システム導入にあたっては目的を欲張らず、ステップバイステップで確実に階段を上がっていく事が、最終的に「急がば回れ」で近道となります。