製造業の外注管理のポイントとは?システムの選び方・導入事例を紹介

製造業の外注管理のポイントとは?システムの選び方・導入事例を紹介

製造業における外注管理は、業務を外注することで起こり得るトラブルを防ぐと同時に、手間を省くために必要です。そこで今回は、製造業が外注を利用する目的をはじめ、乱雑な外注管理によって生じること、外注管理のポイントなどについてご紹介します。合わせて、生産管理システムを選ぶ際のポイントも解説しているので、ぜひご覧ください。

目次




製造業が外注を利用する主な目的

製造業が外注を利用する目的は、主に以下の3つです。

生産コストを抑えるため

第一に、「生産コストを抑えるため」という目的が挙げられます。
社内コストより外注コストが安くすむ場合は、外注を行うことで一部の業務にかかる労務費を削減することができます。
例えば、タスクオーバーにより時間外労働や休日出勤をして対応しなければならない業務があるとすると、それを外注することで残業代を削減でき、結果として生産コストを抑えられるのです。
この他、業務を外注することで設備投資の必要がなくなり、生産コストの削減につながるケースもあるでしょう。


自社にない設備や能力を利用するため

製造業が外注を利用する目的には、「自社にない能力や設備を利用するため」という点もあります。
自社の能力を高めるため、高い技術力を持つ人材の採用を行う企業もありますが、昨今は労働力人口が不足しており、採用も売り手市場です。
そのため、思うように技術力を高められないこともあります。このようなとき優秀な人材が属する企業に業務を外注すれば、自社で人材採用をせずとも高い技術力を得ることが可能です。
場合によっては、自社にない設備を使って業務を遂行してくれるケースもあるため、商品やサービスの品質を保つことができます。


需要変動に対応できるようにするため

「需要変動に対応できるようにするため」という点も、製造業が外注を利用する目的のひとつです。
「受注量が少ないとき」「閑散期」に余分な設備や人材を抱える事が無いようにしたり、
「発注の量が増えた」「繁忙期になった」など、自社の商品・サービスの需要が高まったときにタスクオーバーにならないように外注を利用すれば、効率よく業務を進められます。
時間外労働や休日出勤も少なくなるため、社員のモチベーションの低下を防ぐ効果も期待できるでしょう。


製造業で外注管理が悪いことで生じること

製造業で外注管理を乱雑に行った場合、以下のようなトラブルや手間が生じる可能性があります。

不合格品の廃棄・返品処理

トラブルとして、不合格品の廃棄・返品処理が考えられます。
具体的には、「外注先に自社の業務ルールや価値観をうまく伝えられず、思うような納品物があがってこなかった」というケースが該当します。
この場合、納品物は全て不合格品となるため、破棄または返品処理を行わなければならず、結果的に外注のコストも無駄になる上に、製品が作れない事、納期が遅れる事で売上が上がらないという状態になります。


代品の納期調整

外注先からの納品物が不合格品であり、再度業務を依頼し直す場合は、改めて納期調節を行う必要があります。
この時点で作業に遅れが出ていることになるため、外注先には短納期で対応してもらわなければなりません。
また、外注した業務が自社の受注案件に関与している場合は、受注先の企業との納期調整も行う必要があります。


生産計画の変更

乱雑な外注管理を行った場合、生産計画そのものに影響が及ぶ可能性があります。
例えば、技術水準の調査不足によって「必要な技術を備えていない企業」に業務を外注してしまった結果、思うような納品物があがってこなかった場合、外注先を変えるなどの対処が必要になるため、生産計画を変更しなければならなくなってしまいます。


お客様との納期調整

繰り返しになりますが、外注した業務が自社の受注案件に関与しており、かつ乱雑な外注管理によって外注業務に遅れが出た場合は、受注先の企業との納期調整が必要です。
最悪の場合、自社のお客様である企業との関係性が悪化する可能性があります。


原価上昇による収益圧迫

乱雑な外注管理によってトラブルが発生したり手間が増えたりすると、その分自社の社員の作業工数も増えます。
この場合、労務費を含む原価が上昇する可能性があり、最終的には収益を圧迫することも考えられます。つまり、外注を利用することで生産コストを抑えて収益の拡大を図るはずが、真逆の影響を受ける可能性があるということです。




製造業の外注管理のポイント

では、上述したようなトラブルや手間を防ぎながら、効率よく外注を利用するためにはどうすれば良いのでしょうか。以下で、製造業における外注管理のポイントを解説します。

発注

外注において、外部企業に業務を発注する際は「生産管理システム」を利用するのがおすすめです。
一般的な生産管理システムには、標準発注先と標準単価を基本データとして登録できるため、発注内容が明確になれば基本データをもとに「どこへいくらで発注するか」を自動的に決めてくれます。
「必要な技術を備えていない企業に発注してしまった」「安すぎる単価で発注してしまった」というミスを防ぎやすくなるため、適切な外注管理を行えるでしょう。


受入検査・検収管理

外注管理では、必ず受入検査・検収管理をしましょう。
受入検査とは、納品物が品質基準に適合しているかどうかを確認する検査のことです。
そして、検収管理とは納品物が発注内容どおりかどうかを確認することを指します。
これらを省いてしまうと、仮に品質基準に適合していなかった場合に、再度外注し直す必要が出てきたり自社の業務量が増えたりする可能性があります。
これではせっかくの外注が無駄になってしまうため、受入検査・検収管理は必ず実施するようにしましょう。


納期管理

外注管理は「外注先に業務を発注すれば終わり」ではなく、その後の納期管理が重要です。
外注先にこまめに「納期に間に合いそうか」を確認することで、納期遅れを未然に防ぐことができます。




製造業の生産管理システムを選ぶ際のポイント

製造業の外注管理を適切に行うため、生産管理システムを導入する場合は、以下のポイントを考慮して選ぶことが大切です。

対応業務の範囲

生産管理システムと一言でいっても、在庫管理や原価管理、工程管理など、対応業務の範囲はそれぞれで異なります。
そのため、生産管理システムを外注管理のために利用したい場合は、必ず「外注管理に対応しているかどうか」を確認することが大切です。


自社の生産方式に対応しているか

製造業の生産方式には、見込み生産や受注生産、個別受注生産など、さまざまな種類があります。
そもそも、生産管理システムが自社の生産方式に対応していなければ、生産管理はもちろん外注管理にも活用することはできません。
そのため、自社の生産方式に適合するかどうかも必ず確認するようにしましょう。


自社の業界・業種に対応しているか

生産管理システムによって、対応している業界・業種は異なります。
製造業で利用する場合は、当然製造業に対応している生産管理システムを選ぶ必要があるため、その点も必ずチェックしましょう。




生産管理システム「R-PiCS」導入事例

最後に、生産管理システム「R-PiCS」の導入事例をご紹介します。

極東高分子株式会社

極東高分子株式会社様は、自社開発可能なオフコン(事務処理特化計算機)で生産管理システムを運用していました。
しかし、プログラムを1か所直すにも関連箇所を10箇所も修正しなければならない上に、システム改修も徐々に複雑化。これにより、システム部に大きな負荷がかかっていました。
R-PiCS導入後は、一目で機械の負荷状況を確認できるようになったため、迅速に納期回答ができるようになった他、社員と機械の工程管理が大幅に改善したそうです。

極東高分子株式会社様の導入事例はこちら


トーヨーコーケン株式会社

トーヨーコーケン株式会社様は、これまで自社オリジナルの生産管理システムを利用していました。
しかし、システムに足りない部分はAccessやExcelで補っていたため、データを一元化できないことに課題を感じていたそうです。
R-PiCS導入後は、作業が簡素化し納期の進捗確認や発注業務の効率化、欠品の予防などができるようになったそうです。また、システムに任せる部分が大きくなったことで、本来の業務に集中できるようになったともおっしゃっていました。

トーヨーコーケン株式会社様の導入事例はこちら




まとめ

製造業で外注を利用する場合は、外注管理をしっかり行う必要があります。
もし管理を怠ると、思わぬトラブルが発生したり手間が増えたりすることもあるため、今回ご紹介したポイントを参考に外注管理を効率よく行いましょう。
JBアドバンスト・テクノロジー株式会社の「R-PiCS」には、計画変更や購買管理、受入処理などの機能が備わっています。
仮に、外注管理をする中で納期変更が発生したとしても、計画変更機能を使えば柔軟に対応することが可能です。それぞれの機能については、
以下のページでご紹介しているので、ぜひ合わせてご覧ください。

計画変更(V4/Ex) R-PiCS
購買管理(V4/Ex)R-PiCS
受入処理(V4/Ex)


<文責>

JBATマーケティング 編集部

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