生産管理コラム 70回 ウイルスのサプライチェーンへの影響は?

■新型コロナウイルスが日本の製造業に与える影響

現在(2020年2月10日)、中国を中心とする新型コロナウイルスの感染リスクが拡大しており、中国での生産依存度が高い自動車や電機などのサプライチェーンへの影響が出始めました。
2月8日付日経新聞によると、トヨタやホンダなどでは、中国国内で停止している工場の再稼働予定をさらに延期し、リコーは新工場の稼働を4月から1カ月延期するとの事です。
ウイルスは、発生源である湖北省武漢市内から中国全土へ広がり、ものづくり企業へ影響を拡大し、それらが終息する時期は残念ながら見えていません。

帝国データバンクによると、武漢市には日系企業199社が進出しており、うち製造業が最も多く92社との事です。
また、その周辺地域には、設備・物流、部品・部材販社を含む日系の自動車関連企業は100社規模あるようです。
いわゆる企業集積地、「武漢サプライチェーン」ができているようです。

そして、武漢市内から中国全土、そして日本国内など、自動車・電機メーカーからその他関連企業まで、世界中の企業がチェーンで繋がる現在、その不安が増大しているのも当然です。
各自の予防感染対策は当然ながら、ワクチン等の早期開発が望まれるところです。


■コンピュータウイルスがサプライチェーンに与える影響

さて、人的被害が製造停止へ影響を与える場合と違い、同じウイルスでも「コンピュータウイルス」は、故意にサプライチェーンへ攻撃をかける感染リスクです。

一昨年、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が公開したレポート「情報セキュリティ10大脅威 2019」では、「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃の高まり」が第4位に初めてランクインしました。
セキュリティ対策が不足していたり、適切に管理されていないことから、このレポートでは特に、中小企業が意図せずに攻撃者に加担してしまうリスクが挙げられています。

先日、弊社へお引合頂いたお客様で、取引先が独自に開発されたWebEDIから受注データをダウンロードしているというお話しがありました。


もし、自社のネットワークのセキュリティに「穴」があり、そこから取引先WebEDIサイトへ攻撃を与える等事案が発生し、取引先へ迷惑をかけたら・・と心配されていました。


自社のセキュリティを堅牢に構築しても、サプライチェーンのどこかを攻撃されると、たちまちチェーンが切れてしまい大混乱を起こすわけです。

「コンピューターウイルス」によるサプライチェーンへの攻撃の恐ろしい所は、意図せずその攻撃に自らが加担してしまう事です。


自社は中小企業だから、ネットワーク管理者が居ないから、予算が無いから、などの理由でサイバー・セキュリティ対策が不十分となり、攻撃の被害を受けると、自社だけでの影響では済まない可能性が出てきます。


ターゲットとなる企業や上流下流のサプライチェーンへの踏み台にされ、攻撃を受けた自社も被害者なのに、加害者となりビジネスに重大な影響を与えてしまいます。

サプライチェーンについての多くの著書を出され、本コラムでも連載をお願いした石川和幸先生は、その中で、

「タコツボ化した個別組織利害優先のオペレーションが蔓延・・」として、

現状は、2000年当時よりもさらに状況が悪化しており、今の社員の多くは、営業や生産といった一機能の中で専門特化して育ってしまい、自部門の仕事しか知ららずに昇進しているケースが多くなっている、としています。


そうなると、自部門のことしかわからず、自社の何が制約条件で、どの制約条件をボトルネックとして認め、一方で調整可能な制約条件は何なのかがわかりませんし、計画を変えた結果どのようなリスクが、どこに・どれくらい発生するのか読めないのです。

こうなると、組織横断で問題解決したり利害調整したりすることができなくなります。「なんでそんなことをするんだ?そっちで何とかしてくれ」といった非難合戦ぐらいしかできなくなるわけです。

と書いています。

もちろん、今回の新型コロナウイルスは意図しない感染リスクであり、その人的攻撃への予防や対策は容易ではありません。


但し、「コンピューターウイルス」への対策やサプライチェーンへのリスクヘッジは、予防や対策、シミュレーションができますので、
いま、この段階で振り返り、見直しすることも必要な気がします。

【日本の製造業・生産管理の立て直しの課題と改革の方向性】 第四回 サプライチェーンマネジメントの再構築

こちらもぜひ参考にご覧下さい。


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