生産管理システム構築におけるRFI(情報提供依頼書)の注意すべきポイントとは?ベンダー視点で解説

■情報提供依頼書(RFI)は提案を具体的に依頼する提案依頼書(RFP)の前段階

製造業の方が、生産管理システムの新規導入や更新を計画している場合、その情報収集には色々な方法があると思います。
この弊社コラムも、製造業のお客様へ情報提供を行う事を目的としており、今では「生産管理 コラム」と検索すると、1位~3位の上位にヒットするまでになりました。

ネット社会の現在、検索エンジンでキーワードを入力すれば、生産管理システムのメーカーや機能等の情報が入手できます。
もちろん、展示会などでの実機デモや直接営業やSEとの面談でQ&Aをしなければ得られない情報も多数あります。
欲しい情報にたどり着くには、これら一定のステップ経て得られる場合が多く、ネット検索だけでは限界がある事も事実です。
消費財などの買い回り品と違い、資本財である生産管理システムの情報収集には時間がかかります。

欲しい情報を一律に収集する方法として「情報提供依頼書」(RFI:request for information)というタイトルで
自社の欲しい情報をベンダーに依頼する手法がとられます。
提案を具体的に依頼する提案依頼書 (RFP:request for proposal)の前段階です。

生産管理システム構築におけるRFP(提案依頼書)の注意すべきポイントとは?ベンダー視点で解説

この種の「Request」には、RFIやRFP以外に、公共事業での入札依頼書(RFT:request for tender)
商品名や機能や規格が予め決まったものは、見積依頼書(RFQ:request for quotation)などがあります。

RFIは、ランダムにネットで収集する場合と比べ、ベンダーからの回答書を、自社の要望に照らし合わせ比較・検討できるなどのメリットがあります。
通常、ネットで予め見極めた企業やセミナーで参加したベンダーに対し、RFIを発行するのが一般的です。
その後、提案依頼書:RFPとステップを踏みます。

では、RFIには何を記載すれば良いでしょうか?

一般的には
1.会社情報
2.パッケージの基本情報
3.機能情報
4.要件対応
5.非機能要件
6.概算費用
等です。

1.会社情報には、パッケージベンダーの拠点や従業員数、扱いパッケージなど一般的なことでよいと思います。

2.パッケージの基本情報には、機能概要、特徴、実績などです。
ここまでは、ネットから事前に情報が得られる可能がありますが、各社同じ項目で比較した場合には、エクセル等で所定のフォーマットに、ベンダーに記入してもらう方がよいでしょう。

3.機能情報、これは自社で必要かどうかではなく、パッケージで予め備えている機能を提示してもらうことになります。
フリーフォーマットでも、予め「受注登録」や「原価集計」など機能名を入れ、〇×を記載してもらう事でも良いかと思います。

4.要件対応、ここは自社の欲しい機能になります。上記3のうち一般的でない要望や機能、特別な処理が必要であれば、それらを記載します。 
ただ、細かすぎる内容ではなく、ベンダーへはオプションやカスタマイズ、実現性や代替案を要求しても良いかと思います。

5.非機能要件は、現状のシステムデータ処理量や要求する処理スピード、操作性など条件があれば記載します。
また、導入手法や導入期間、保守やサポート体制なども提供サービスも要求して良いと思います。
非機能要件は、ネット検索ではほとんど入手できない情報なのであった方が良いかと思います。

6.概算費用は、想定されるパッケージの利用者数(ライセンス数)などを記載できれば、それに対する概算費用の情報をリクエストします。
ここでは、同業他社の事例費用や規模感を知る事が目的なので、その旨を記載して、参考情報と捉えるべきです。

およそ、このような内容をエクセル1~2枚(30件~100件以内を目途)で質問と回答(記入欄)という列で作成すれば良いかと思います。

ベンダー視点でのRFI

弊社もRFIをよく受領し、回答を差し上げる機会が多くあります。
ただ、時々回答に苦慮する場合がありますので、ベンダー視点でのRFIについての要望などを挙げてみたいと思います。

1.情報提供の質
   RFIは事前情報がない中、メールで突然送られてくる場合が多く、新システム更新の背景や目的も不明瞭な場合が多いです。
   特に上記4の要件では、現状出来ているのか、今後行いたいのか、必須なのか要望なのか?など、必要な情報の
   背景や情報の質を記載頂くと、単なる機能の有無ではなく、運用回避や事例などの回答がしやすくなると思います。
   また、この時点で機密保持契約(NDA)を結ぶ事はあまりありませんので、詳細の情報を提示し難い場合もあります。
   互いに必要な情報交換が、より詳細に必要であれば、事前にNDAを結ぶなどが必要かと思います。

2.情報提供の量
   上述でRFIは30件~100件以内を目途と記載しました。
   時々頂くRFIでは、RFP並みに300件を超えるものがありますが、丁寧に回答を記載しようとするとかなりの時間や工数を費いやします。
   特に回答納期が短いと、単なる〇×や回答出来ない場合があります。
   事後の回答整理も考え、優先順位や必要性が高い順で適度な件数を提示頂くのがよいかと思います。

3.情報提供後の日程
   RFIは以後のRFP作成の事前情報なります。
   ただ、単ある情報収集目的や回答後その検討状況をお知らせ頂けない場合もあります。
   RFI回答を自社でどのように活用し、次のステップに移行するかなどの予定なども記載頂くと良いかと思います。

RFIは、自社が考える機能ができる事の情報収集より、知らない機能、有益な機能の情報収集という視点も大事です。
これらの情報の方が、業務改革やIT戦略またはDX実現への可能性を高めるからです。


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