受発注から決済まで一気通貫のデジタル化とは?

■民間企業におけるDX化が求められる一方、各省庁や自治体のDX化は遅れている

2022年も残り僅かになってきました。
落ち着き始めたコロナも、新たな変異株により、年末も油断できない状況になりました。
 2021年12月6日付け日経新聞朝刊では、年明け2022年1月から3月までの主要30業種の産業天気図を発表しました。

 わが社が属する情報産業では、DX需要で好調を維持し「晴れ」
電子部品・半導体は一部在庫積み増しで一服感はあるもの、半導体需要は活発で「薄日」
精密機械では東南アジアでの生産停滞で部品供給が逼迫する等相変わらず「曇り」
自動車では半導体不足の影響が徐々に緩和される見通しで「雨」から「小雨」
などです。

さて、
過日、ある勉強会で中小企業庁の方からお話をお聞きする機会がありました。
産業全体の天気を「晴れ」にしていく施策等のお話です。
その中の課題の一つが、「受発注から決済まで一気通貫のデジタル化」の話でした。
受発注から決済までをどのように「晴れ」にしていくか?

一見、「もう出来ている!」や「難しい話ではないのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、現実はあまり進んでいません。

ここでは、
①受発注システムのデジタル化
②会計・経理システムのデジタル化
③決済システムのデジタル化
と大きく3つにわけ考えます。


【①受発注システムのデジタル化

まず、受発注は社内だけの話ではありません。
得意先や外注先等の相手を考慮する必要があります。
企業間取引は、業界や発注側企業ごとにEDIシステムが乱立しており、事務手続が煩雑になり、デジタル化によるメリットを実感しにくい状況です。
統計によれば、中小企業の約7割は電話、FAX、電子メールによる受発注を行っています。
基幹システム更新でも、EDIが必要要件として挙がりますが、どちらかと言うと現状踏襲または特定企業間のみが多い印象です。
EDIそのものを戦略的またはDXの幹とする要件はあまり無いようです。
これは、相手がいる中でのシステム要件(様々なEDIや取引先都合等)は中々まとめ難い事が原因かもしれません。
これについて中小企業庁は、ITの利用に不慣れな中小企業でも、簡単・便利・低コストに受発注業務のIT化を実現できる汎用性の高い仕組みとして、「中小企業共通EDI」仕様を公開し普及を目指しています。


【②会計・経理システムのデジタル化】

一方、受発注のEDIシステムが出来たとしても、売上・請求など、会計・経理システムの連携は遅れています。会計が別システムで、EDIと連携し仕訳処理ができる仕組みの導入は少なく、ERPシステムでも利用していない企業も多いようです。
日本人的考え方かもしれませんが、一旦「人」がチェックし、正しいデータだけを連携させたい...という話を良くお聞きしますので、このあたりの文化的なものが背景にあるのかもしれません。


【③決済システムのデジタル化】

さらに、取引の決済システムまでつなげる一気通貫は殆どありません。
一般社団法人全国銀行協会では、ZEDI(全銀EDIシステム)を推奨しています。
ZEDI(全銀EDIシステム)とは、支払企業から受取企業に総合振込を行うときに、支払通知番号・請求書番号など、さまざまなEDI情報の添付を可能とするシステムです。
ZEDIの導入によって、入金消込業務の効率化など、企業における資金決済事務の合理化が可能となります。
現在、中小企業でのZEDI導入率は約1%と低い状況です。

 このように「受発注から決済まで一気通貫のデジタル化」は、各種個別の仕組みはあるものの、一気通貫の仕組みが実現できている企業は少ないようです。
これらの実現は、例えば製造業では、開発やものづくりまたはアフターサービスへ経営資源をシフトでき、効果的な企業運営ができるメリットが大きいと思います。
国はこのような連携によるDX施策を2022年~23年にかけ積極的に支援をしていくようです。

 民間企業におけるDX化が求められる一方、各省庁や自治体のDXは遅れています。
各種手続きが「紙」であったり、マイナンバーカードの活用も限定的です。
天気図であれば「曇り」もしくは「小雨」に感じます。

新しい年は、官民ともに「晴れ」していきたいですね。


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