生産管理コラム 84回 大規模予算「事業再構築補助金」の事業計画とは?

大規模予算「事業再構築補助金」の事業計画とは?

2021年4月、多くの企業が新年度を迎えました。
昨年4月の新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言から、これほど長く影響が続くとは多くの人は予想していなかったと思います。

一方、製造業では当初のサプライチェーン寸断が解消され、テレワークデジタルトランスフォーメーションDX)等が進展しています。 そのため、電子部品や半導体産業の工場は在庫不足からフル稼働となり活況を呈しています。
4月5日付け日経新聞朝刊、4月~6月の産業景気予測「主要30業種の天気図」によると、晴の業種は3業種、薄日は7業種、曇り、小雨、雨は計20業種とまだまだ全体としては天候は良くないようです。 このような中、ニューノーマルを受け入れ、新たに事業の再構築を前向きに支援する補助金がこの4月よりスタートしました。
予算が1兆円超とこれまでに無い大規模の補助金です。

 今回は、令和2年度第3次補正予算「事業再構築補助金」をご紹介します。
事業再構築補助金は、新分野展開事業転換業種転換業態転換又は事業再編のいずれかを行う計画に基づく施策です。

対象は、中小企業(製造業であれば資本金が3億円以下または従業員が300名以下)ですが、資本金が10億円未満の中堅企業等も対象となります。
補助金額は、中小企業者等の「通常枠」の場合、100万~6,000万円(補助率2/3)と幅広く、投資額では150万~9,000万円規模の事業計画が対象となります。 補助対象経費は、建物費、機械装置・システム構築費...等が対象となります。 申請のための要件(条件)の前に、まずどのような事業計画に対して可能かを見ていきたいと思います。


1.新分野展開を行う事業計画

 新分野展開とは、「新たな製品を製造し又は新たな商品若しくはサービスを提供することにより、新たな市場に進出すること」で、それらが総売上高の十分の一以上を占める必要があります。
ですから、過去に製造したことがある製品や既存の設備でも製造できるのに新設備を購入するなどは対象となりません。新規製品でも、それが既存製品を代替する場合、つまり既存製品が単に新製品に置き換わるような場合は新分野展開とはなりません。

また、市場の新規性についても同様です。 以下のような場合、申請可能だと例示されています。
「航空機用部品を製造していた製造業者が、業界全体が業績不振で厳しい環境下の中、新たに医療機器部品の製造に着手し、5年間の事業計画終了時点で、医療機器部品の売上高が総売上高の10%以上となる計画を策定している場合」
※売上高についての数字目標が計画に盛り込まれている必要があります。


2.事業転換を行う事業計画

 事業転換とは、「新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更すること」を指します。
...少し判りにくいですね。

主たる業種を変更しないとは、大分類での製造業は変えず、そして主たる事業を変更とは、
例えば中分類の「生産用機械器具製造業」から「業務用機械器具製造業」へ転換を図る等です。

小分類や細分類の変更も大丈夫です。
例えば中分類の「生産用機械器具製造業」は変えず、小分類の「農業用機械製造業」から「金属加工機械製造業」へ変えるような場合です。

自社がどの分類に属するのかは、日本標準産業分類を参照して下さい。 多様な製品を生産している場合は、売上高構成比率が最も高い事業がその分類になります。以下のような場合、申請可能だと例示されています。
「プレス加工用金型を製造している下請事業者が、業績不振を打破するため、これまで培った金属加工技術を用いて、新たに産業用ロボット製造業を開始し、5年間の事業計画期間終了時点において、産業用ロボット製造業の売上高構成比が、日本標準産業分類の細分類ベースで最も高い事業となる計画を策定している場合」?

変更した主たる事業が売上高構成比率で最も高くなるような計画が必要です。

整理すると、「事業転換」に該当するためには、「製品等の新規性要件」「市場の新規性要件」「売上高構成比要件」の3つを満たす(=事業計画において示す)ことが必要となります。  


3.業種転換を行う事業計画

 業種転換とは、「新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更すること」を指します。
先の事業転換では大分類は変更しない条件ですが、業種転換は商業から製造業など大分類での産業分類の変更を行う場合です。

以下のような場合、申請可能だと例示されています。
「コロナの影響も含め、今後ますますデータ通信量の増大が見込まれる中、生産用機械の製造業を営んでいる事業者が、工場を閉鎖し、跡地に新たにデータセンターを建設し、5年間の事業計画期間終了時点において、データセンター事業を含む業種の売上高構成比が最も高くなる計画を策定している場合」業種を製造業から情報通信業へ転換する例です。

これは大きな転換ですから、実現のハードルがかなり高くなりますので、実現可能な事業計画が必要です。


4.業態転換を行う事業計画

 業態転換とは、「製品等の製造方法等を相当程度変更すること」を指します。
相当程度ですから、少しの変更は難しいと思われます。製造方法などの新規性も必要です。

過去にそのような製造方法の実績がなく、新たな製造方法等に用いる主要な設備を変更し、その製造方法が既存と比べ、生産効率が何%向上できるか等、定量的に示す必要があります。なお、ここでの新規性とは、自社にとっての新規性であり、、世の中における新規性(日本初、世界初)ではありません。

以下のような場合、申請可能だと例示されています。
「健康器具を製造している製造業者が、コロナの感染リスクを抑えつつ、生産性を向上させることを目的として、AI・IoT技術などのデジタル技術を活用して、製造プロセスの省人化を進めるとともに、削減が見込まれるコストを投じてより付加価値の高い健康器具を製造し、新たな製造方法による売上高が、5年間の事業計画期間終了後、総売上高の10%以上を占める計画を策定している場合」

製造方法を変えると、新たな生産管理システムの導入も併せて必要になる場合があります。付加価値向上においては、製造業務の効率的な利用、運用が不可欠だからです

事業再編については説明を割愛します。

以上は事業計画を中心に手引書や公募要項から抜粋して記載しました。
この補助金への申請の大前提として主要要件が以下3つあります。


▼補助金への申請の大前提▼

1.直近6か月のうち任意の3ヵ月の合計売上高がコロナ以前と比較して10%以上減少していること
2.この事業計画が完了してして3年から5年で付加価値額の年率平均3%以上の増加(または従業員1人あたり)の計画であること
3.事業計画は、認定経営革新等支援機関(ホームページで検索可)と策定する必要があること
(補助金が3千万円超の場合は加えて金融機関の支援参加も必要)


また、「卒業枠」としてその他中小企業から中堅企業へ成長する計画や「グローバルⅤ字回復」として海外投資や海外市場やインバウンド市場開拓を計画等、補助金額が1億円まで等、条件が変わるメニューも用意されています。

いずれの場合においても 本補助金については必ず以下のサイトで最新の公募要項等を必ず確認して下さい。

◆中小企業庁 事業再構築補助金 https://jigyou-saikouchiku.jp/

本補助金の第1回目締め切りは2021年4月30日ですが、本年度中に計5回の申請が予定されていますので、検討されてはどうでしょうか?


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