固定資産税の課税標準が半額になる?製造業の施策とは
2016年7月1日 「中小企業等経営強化法」が施行され、現在、多数の認定企業が発表されています。
これは、中小企業等が将来の成長を果たすべく、生産性の向上(経営力向上)を図ることの必要性から出来た法律です。
一定要件を満たす機械及び装置は3年間、固定資産税の課税標準が半額になります。
また、中小企業信用保証の保証枠の拡大や中小企業基盤整備機構の債務保証など、資金調達を行う場合の金融支援が受けられるようになります。
この法律の特徴は、事業分野の特性に応じた支援を行う点です。 製造業では深刻な人手不足の下、IoT等も活用して競争力の源泉たる「強い現場」をさらに伸ばす経営が重要。とし、
まずは、以下のような製造業の課題を前提にしています。
1)中国等との労働コスト格差縮小や行き過ぎた円高の是正や、国内の深刻な人手不足等の競争環境の変化を踏まえた生産体制再構築の必要性。
2)IoT等の新たな技術も用いつつ原価管理の徹底、儲かる製品への注力、継続的なカイゼン活動、標準化、設備投資、省エネ、製造現場のIT/IoT活用を進める必要。
そして、自社の強みに関し、「支えるもの」と「さらに伸ば すもの」にわけ、以下の指針を示しています。そしてその実現のための設備投資に対し、課税の低減を行うものです。
------------製造業の場合の指針------------------------
<強みを直接支える項目>
1.従業員等に関する事項
1)多能工化及び機械の多台持ちの推進
2)継続的な改善提案の奨励
2.製品・製造工程に関する事項
1)実際原価の把握とこれを踏まえた値付けの実行
2)製品の設計、開発、製造及び販売の各工程を通じた費用の管理
3.標準化、知的財産権等に関する事項
1)異なる製品間の部品や原材料等の共通化
2)暗黙知の形式知化
3)知的財産権等の保護の強化
4.営業活動に関する事項
1)営業活動から得られた顧客の要望等の製品企画、設計、開発等への反映
2)海外の顧客の対応出来る営業及び販売体制の構築
3)他の事業者と連携した製造体制の構築による受注機会の増大
<強みをさらに伸ばす項目>
1.設備投資並びのいロボット及びITの導入等に関する事項
1)設備投資
2)ロボットの導入又は増設
3)ITの導入
4)設備投資等が製品の品質及び製品一単位当たりの製造費用に大きな影響を及ぼす分野の関する留意事項
2.省エネルギーにの推進に関する事項
1)エネルギー使用量の把握、設備の稼働時間の調整及び最適な管理の実施、省エネルギー設備の導入、エネルギー管理体制の構築 等
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これらの指針のうち、会社規模に応じ、いくつかの取り組みを行い、労働生産性や売上高経常利益率または付加価値額の向上を図れれば、認定企業として、3年間、固定資産税の課税標準が半額になります。