「インダストリー4.0」第4次産業革命とは?
●第4の産業革命 「インダストリー4.0」とは?
2015年度版の「ものづくり白書」(ものづくり基盤技術の振興施策)が6月に閣議決定されました。
この白書は経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省が共同で作成するという、他の白書と違い横断的な国の施策といえます。
その中では、製造業の新たなビジネスモデルへの対応が重要な課題だとして、IoT(Internet of Things)の進展や取り組み、またドイツで進むインダストリー4.0等の各国の動きも見据えた「ものづくり産業」の今後の方向性を検討しています。
さて、インダストリー4.0とは、・・・・・第4の産業革命と呼ばれ、ドイツにおいて産官学共同での研究、実証がはじまっているITを利用したイノベーションの考え方です。
第1の産業革命は、18世紀後半から始まった人力を代替する蒸気機関による自動化。
第2の産業革命は、20世紀初頭に始まった、電力を活用した自動車などの大量生産方式の導入。
そして3番目の産業革命は、1980年代以降のコンピュータによる自動化です。
今度は第4の産業革命という事でインダストリー4.0と呼び、ITを活用した新たな生産システムを指します。
ものづくり、生産工程に関わる企業が、ネットを介して伝達される情報に反応して、生産・供給活動をスマート(利口に)に自動的に行うイメージです。
つまり、人が関与しなくても、機械や工程の情報をネットを通じて伝達しあい、生産や供給など全体のパフォーマンスを最適化し、人件費を中心にコスト削減を図る「夢のような話」です。
ただ、ドイツではこれらは「夢ではなく」、実現可能な革命として、そのための基礎技術や応用技術を国家プロジェクトとして進行しています。(この技術の柱にIoTがあります)
「ん~何かすごいな~」というのが正直な感想です。
一方で自動車産業では、以下のような例がありました。
「自動車組み立て工場で、ある部品の在庫量が一定の水準を下回ると、その情報が自動的に別の企業の部品工場に伝達される。部品工場では、その情報を受けて自動的に部品を製造し、自動車組み立て工場に供給する。部品取引の決済も自動的にITシステムが記録、処理する」
これだけ見ると、「な~んだ普通に行われている仕組み、かんばん」だ、ということになりますが、何が違うのでしょうか?
●モノのインターネット IoT(Internet of Things)がもたらす「スマートファクトリー(考える工場)」化
その背景に、IoT(Internet of Things)の技術があることがこれまでとの違いになります。
IoTとは、加工機械やロボット、それらにつけられてセンサーなどあらゆるモノ(Things)の情報をインターネットを利用(ビックデータ、人口知能など)した技術であり、上記の例では「人」ができるだけ介在しない仕組み・・と書かれています。
つまり、「かんばん」や「生産状況や進捗」をバケツリレー式に後工程や前工程へ伝えるのではなく、そこには「データが処理され連携され指示が行われる」・・・というイメージでしょうか。
自動車産業であれば、城下町のような産業クラスター「リアルクラスター」ではなく、ネットでつながった「バーチャル・クラスター」のようです。
国は、これら「スマートファクトリー(考える工場)」が「世界のうねり」であり、日本も思い切った方向転換が必要と考え、日本の強みであるロボット技術を使う等、「ロボット革命イニシアティブ協議会」を創設、強いものづくりを推進しはじめました。
自社に関係があるのか?ないのか?
ものづくり現場の足元の状況(実態)はちゃんと見据えて、おおきな「うねり」の「センサー」は働かせておく必要があるようです。
参考:ロボット革命イニシアティブ協議会
https://www.jmfrri.gr.jp/