製造現場の管理者が必要とする情報とは?

中小製造業、つまりものづくり中小の製造現場では日々どのような困り事が起こり、どう対応すれば良いのか。
第14回では現場作業者について記述しました。今回は現場管理者の情報活用について記述します。

ものづくり中小の現場管理者は、管理者としての役割と同時に作業者のリーダー的役割を果たすマルチな方が多く、工場の中心的役割を担っておられます。

【現場管理者の仕事ぶり】
現場管理者の仕事ぶりを見てみましょう。5名~20名位の部下を持つ管理者の方を例にとると、マルチな方でも、そうで無い方でも、以下の4つのタイプの方が多いのではと思います。・・・・・・

(1)エマージェンシー型
製品、作業者、外注先、得意先などで、不測の事態が発生すると、そのたびに緊急出動し対策を行う等、工場内の消防車や救急車の役割で常に忙しくしている現場管理者。

(2)カンファレンス型
常に会議、ミーティング、資料作りで1日が終わってしまい、現場に出向く時間が取れない現場管理者。

(3)カルキュレーター型
現場から上がってくる日報や伝票をパソコンの表計算ソフトを駆使し、自分にしか出来ない集計・分析で、休暇も取り難い現場管理者。

(4)メール型
以前は電話での対応が多かったのですが、最近はITの普及により、得意先や仕入先へ お断りや催促メール、場合により直ぐ横の部署の方にまで連絡メールで入念なネゴシエー ションを行うなど、終日メールの発信、返信に追われ、パソコンの前から離れ難い現場管理者。

心あたりがある方もいらっしゃるかもしれません。
以上はいずれも、生産を阻害する数々の「外乱」に対応すべく職務を遂行されており、忙しく働く現場管理者を見ると、これらは当然の業務に見えてきます。

【アクションツールの必要性】
ところが、グローバル化・デフレ・超円高など、ものづくり現場の厳しい環境下、上記4タイプの現場管理者の仕事は、益々難しくなってきています。
以前の生産に比べ、超多品種・超小ロットで判断の時間的猶予はありません。現場作業はどんどん進んで行きますので即断即決を迫られます。
また、低コスト・高品質を維持しながら、トラブル対応を図り、超短納期を順守すべき 判断を求められます。
それらに対応するためには、ITを活用した改善のための「アクションツール」を現場管理者のために提供し、「情報武装」が必要だと思います。
「アクションツール」とはその名の通り、現場管理者が判断し、「行動に移せる工具」と言えます。
自動車製造などで以前から行われている現場の表示灯「あんどん」は製造機械や工程の不具合を見える化し、そしてアクションに起こせる同様のツールと言えます。 しかし、ここではもう少し広義に捉え、製造機械や工程の不具合以外の「情報」にも着目します。
例えば、作業進捗や納期などの時間日付データ、生産、材料、在庫などの量データが加えられたものと考えます。

【業務改革と情報の武器】
先述の各タイプの現場作業者にどのようなアクションツールがあれば良いでしょう?

(1)エマージェンシー型
受注や生産計画が順調に進捗しているか、遅れの製品は何か?、材料は納期通り入庫して いるか等のリアルタイムな生産進捗情報や在庫更新情報があると、事後的緊急発動をせずに、前もって行動が起こせるので有効です。

(2)カンファレンス型やカルキュレーター型
受注・出荷情報がリアルタイムに把握でき、現在の実績情報がリアルタイム収集され、 日報やグラフでその進捗が示されると、集計作業も不要となり、現場に足を運ぶ機会も増え、即断即決の指示がし易くなります。

(3)メール型
他部署や外注先などの情報を掲示板などで共有化・公開化する事でその情報の活用者の幅が広がり、また属人化作業が軽減されます。
但し、アクションツールの時間や量の情報新鮮度(更新度)は、製品のリードタイムやその業界毎に違いが出てきます。それらを見極め過度の情報提供にならないように留意が必要です。
ものづくり中小の現場管理者の高い責任感と知的レベルに加え、このようなアクションツールで情報武装し、日本の製造現場の高い生産性の維持を目指してもらいたいと思います。
次回は「ものづくり中小の経営者」の視点からお話しをします。


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