製造現場の作業者が必要とする「情報」とは?

中小製造業、つまりものづくり中小の製造現場では日々どのような困り事が起こり、どう対応すれば良いのか。

第13回では外乱、内乱について記述しました。

今回はより深く、視点を「現場作業者」とし、情報の提供とその活用を考えて見ました。
以下視点です。

 (1)何が現場作業を停滞させるのか?
 (2)どのような情報があれば良いのか?
 (3)どう活用すれば良いか悪いか?

まず一つ目の「何が現場作業を停滞させるのか」・・・・・・・

ものづくり現場では、通常1日の作業開始時、使用予定の部品 ・材料、使う治具・機械などの準備、確認からスタートします。
朝のスタート時点で、それら1つでも不足や未確認な事があると、その準備や確認のために時間がかかり、作業そのものを始められません。

この、作業前段取時間が作業を停滞させます。当然、次の製品加工や組立、切替時も同様の確認が必要です。このような阻害要因の「確認」には例えば具体的に以下のようなものがあります。

1)作業優先順の確認
2)規格・品質の確認
3)必要部材の確認・探索・確保など在庫の確認
4)機械の設定、精度調整
5)前後工程や仕掛品状況確認・・等々。 

加えて作業中には、

1)特急品の指示
2)機械の不具合
3)材料の不良・・等々

数えきれない程の「作業阻害」が発生します。

二つ目「どのような情報があれば良いのか」・・・・・・・

では、現場作業者の上記作業阻害要因に対し、どのような情報があれば、事前に対策を打ったり、ムダの無い確認が行えるのでしょうか?

前記の例であれば、「今日の作業順や規格などの作業指示書」を受け取り、「必要な部品や材料、仕掛品の在庫状況が示される」と直ぐに作業に取りかかれます。
そして、「昨日の機械稼働状況、不良の発生状況」が判ると何に注意すべきかが判ります。

作業中には、「特急品の割り込みで、作業や納期遅延など再計画情報」が示され、「機械不具合時の対策情報、不良品代替材の有無や発注納期情報」が判れば理想的です。

これらは、生産管理システムやパソコンの表計算ソフト、日報や現場のノート、掲示版など、記録、記帳されたデータとして活用され、形式知化しているかもしれません。また作業者の経験値やノウハウ等の暗黙知化された情報かもしれません。

大手では製品種類や生産量のその規模感 ・処理量から、多くはシステム導入で形式知化したデータ処理として情報提供をしている場合が多いでしょう。ものづくり中小では、比較的属人化した暗黙知として、その情報活用をしている割合が高いと思われます。

最後に三つ目の「どう活用すれば良いか悪いか?」・・・・・・・

以上のように困り事への情報提供は、形式知化、暗黙知化されたいずれの場合でも、 有効に活用できなければ意味がありません。

また、ものづくりにおける中小企業は多品種少量の受注生産形態が多く、また、先に述べましたように、その経営資源が過小なため、形式できないまま、暗黙知化された情報が多く、現場が見えていそうで見えない、対策を打てそうで打てない場合も注意が必要です。

ノウハウの維持は当然ながら、暗黙知の情報をノートへ、そしてノートからパソコンへ、パソコンからシステムへと順に移行し、形式知化していく必要があるかもしれません。

以上のように、現場作業の阻害を想定し、その情報提供を行うことで、次のアクションに繋がる、情報提供をタイムリーに行うことで、スムーズな作業サイクルを実現できると考えます。

最後になりますが、現場の5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)は上記の前提であることは言うまでもありません。


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