企業物価指数の上昇によるモノづくりへの影響は?
■円安による輸入物価の上昇によって原材料費が高騰
半導体など電子部品以外の部材も入手困難になったり、価格が上昇しています。
2022年5月16日 日銀が発表した、企業物価指数は1960年の統計開始以来、過去最高となりました。
企業物価指数は、企業間で取り引きされるモノの価格を示す指標です。
従来は「卸売物価指数」と呼んでいましたが、メーカーの直接取引が増えているため、名称が変更されています。
消費者物価指数とともにインフレ率の判断に用いられ、毎月集計され、速報値の公表が早いため、景気動向や金融政策の判断材料として重要視されています。
過去最高の上昇は、ロシアのウクライナ侵攻の影響に加え、急速に進んだ円安による輸入物価の上昇により、企業間での原材料費上昇を価格に転嫁する動きが広がったことが主な要因となっています。
皆様の工場では、どうでしょうか?
従来の単価、納期で部材は入荷できていますでしょうか?
販売価格を上げて受注できていますか?
単価は変わらずだが、納期遅延が起きているや、特定部品の単価上昇と納期の長期化など両方が起こっているや
販売価格は上げられず利益が減少している...など少なからず影響が出ているのではないでしょうか。
この状況下で、例えば生産管理システムのMRP(資材所要量計算)で、マスタの購入価格や調達リードタイムで計算を行っても、正しい納期や費用が算出されないことになります。
都度マスタを変更したり、どう変更するか判断できない状態では、その対策も困難になります。
考えられる方策としては、システム上の希望納期に対し回答納期を頻繁に確認したり、費用対効果により発注先を変えやりするなどで生産への影響を最小限にすることが必要になります。
決められたことを決めた通りに処理を行う基幹システムと、QCD(品質・コスト・納期)の変化に伴い柔軟に対応できる業務(=本来の生産管理業務)のギャップが大きいと、このような状況下での対応力に差がでることになります。
システム外での確認やネゴシエーションは、基幹システムへの依存度が大きいほど影響も大きく、負担増となります。
システム間連携や処理の自動化による効率性が高いほど、サプライチェーン全体が同期し稼働しない限り、影響が大きいことになります。
製品毎や部材毎のサプライチェーンの事情にもよりますので、最適解は示し難く、先の方策のように本来の生産管理力が試されます。
まずは、基幹システムからの情報と現状とのギャップを把握することからスタートすることは言うまでもありません。
一方、販売価格への転嫁の課題もあります。
統計では、製品の完成段階である最終財、中間財、素原材料の3つの指数を比較すると、素原材料は前年同月比65.5%増、中間財が18.0%増、最終財が4.9%増でした。
製造過程の「川上」から「川下」へ、値上げが難しくなっている状況です。
自社のモノづくりが川のどの位置なのか?、市場や顧客需要との関係はどうなのか?等を明確にしておくことが必要です。
販売価格への原材料上昇分の転嫁の可否は、売上や取引への影響を考慮する必要がありますし、
自社だけの都合では決定できない場合が多いと思います。
外部環境の変化に対するシステムの柔軟な対応は、今後新システムを検討する上やDXを図る上で大事な要素になってきますので、十分留意する必要があります。
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