3次補正予算による製造業関連の補助金とは?
■令和2年度3次補正予算(案)~製造業関連を解説!!~
2021年、年が明け「緊急事態宣言」が再度発出されるなど、新型コロナウイルスは依然猛威を振るっています。 「制限」とセットであるべき「補償」は、個人や商店などを中心に行われていますが、まだまだ十分で無いと言う意見が多いようです。 そのような中、今回は2020年12月15日に閣議決定した令和2年度3次補正予算(案)のうち、製造業関連をいくつかご紹介します。
1.中小企業等事業再構築促進事業
2.事業改善助成金
3.サプライチェーン国内投資促進事業補助金
4.中小企業生産性革命推進事業
なお、ここでの中小企業とは製造業の場合、資本金3億円以下または従業員300名以下となっています。
【1.中小企業等事業再構築促進事業】
コロナの影響を受け、経済社会の変化に対応するため、新分野展開や業態転換に対応するための補助金です。
中小企業の通常枠で、補助金は100万円~6,000万円 補助率2/3となっています。 直近6か月間の任意の3か月の合計売上が、コロナ以前と比べ10%以上減少している中小企業が対象となります。新分野や業態展開の事業再構築の事業計画をつくり申請します。
【2.事業改善助成金】
これは厚生労働省管轄の助成金で、生産性を向上させ、事業所内で最も低い賃金の引上げを図る中小企業や小規模事業者を支援するものです。 設備機械やコンサルティング導入や人材育成、教育訓練を行った場合、引上げ対象となる労働者の人数に応じ、最大450万円の助成があります。
【3.サプライチェーン国内投資促進事業補助金】
1次補正予算に続き、1次補正予算でも継続が決まりましたサプライチェーン補助金。
中小企業以外、大企業や共同でも申請が可能で、中小企業の場合、最大150億円、補助率2/3 と大型の補助金となっています。 対象となる事業は以下の2通りあります。
・生産拠点の集中度が高い製品・部素材の供給途絶リスク解消のための生産拠点整備
・国民が健康な生活を営む上で重要な製品・部素材の生産拠点等整備
1次補正予算では、前者が54事業、後者が94事業、合計148事業が採択されています。
前者は、 海外における生産拠点の集中度が高く、かつ、サプライチェーンの途絶によるリスクが大きい製品として、半導体関連、航空機関連、車載用電池関連、レアメタル関連、ディスプレイなどが対象となっています。
後者は、 国による緊急調達等の対象物資や医療提供体制の確保のために必要となる製品として、消毒用アルコール、マスク(サージカルマスク)、医療用ガウン、手袋(医療従事者用)やその関連部素材が対象となっています。
本補助金の対象となるものは、建物の取得費や設備費、それに生産管理システム等のシステム購入費も対象となります。
【4.中小企業生産性革命推進事業】
生産性革命推進事業は、3つの補助金が1つの事業名となった従来からの補助金です。 引き続き3次補正予算に組み込まれました。
ものづくり補助金 | 最大1,000万円 | 補助率1/2 |
持続化補助金 | 最大50万円 | 補助率2/3 |
IT導入補助金 | 最大450万円 | 補助率1/2 |
それぞれの補助金や助成金には各種条件があり、必ず採択されるものではありません。
また、本コラム記述時点では、まだ閣議決定された案となっており、国として正式に決定しているものでありません。 支援内容や条件が変わったり、申し込み開始から締め切り日が近いものもありますので、これらの補助金を検討の方は随時最新情報を得るようにして下さい。
厳しい環境がまだまだ続きますが、本年も本コラムどうぞよろしくお願いいたします。