「はやぶさ2」成功の秘訣と町工場の関わりを解説

■日本がまた世界を大きくリードした大成功のミッション

 2014年12月3日に種子島宇宙センターから打ち上げられた小惑星探査機「はやぶさ2」は、 6年後の先日2020年12月6日未明、小惑星から採取した岩石のカプセルを地球に届け、次のミッションへと旅立ちました。次のミッションは、100億キロ離れた小惑星、到着は11年後と壮大なものです。
「はやぶさ2」の地球帰還は、小天体探査分野で日本がまた世界を大きくリードした大成功のミッションとなりました。

長期に渡るミッション成功のカギは、高い技術力はもとより、プロジェクト遂行能力やチームワークなどいくつも挙げられると思います。 はやぶさ初号機での幾多のトラブル体験を生かし、小惑星「りゅうぐう」へ2回の岩石採取をトライしました。 着陸が困難な「りゅうぐう」の1万個の岩を4か月に渡り調査し、多数のシュミレーションを行い1回目を成功。 2回目の人口クレーターによる地下物質調査では、10万通りのケースを想定しそれを成功させています。

この宇宙科学分野は、日本の科学分野での優先順位はそれほど高くなく、特に予算は米国の10分の1と言われています。この限られた予算でのこの成果は大きな価値があると思います。 まさに、資源が潤沢な「大企業の戦略」では無く、限られた資源での「中小企業の戦略」です。

 

ものづくりの点からみてみる

このような戦略の「はやぶさ2」をものづくりの点からみてみると、さらに多くの中小製造業、町工場に支えられた成功ミッションとも言えます。
どのような部品や技術が支えているのかを調べてみると、いくつもの中小企業や町工場の名前が検索できます。 TVドラマにもなった「下町ロケット」を思い浮かべます。
いくつかご紹介します。

▶限られた予算、省エネ高効率のエンジンは初号機から搭載されている「イオンエンジン」その推進剤のキセノンガスは、東京都大田区のガス専門の会社が供給しました。

埼玉県羽生市にある従業員20名ほどの町工場では、「六角穴付きのボルト」を提供しています。このボルトは64チタン合金と呼ばれる特殊合金で、
 純チタンより硬く、加工が難しいものです。

神奈川県相模原市、「はやぶさ2」のコントロールセンターである「JAXA相模原キャンパス」近くある、従業員80名ほどの工場では、
 耐熱材である「サーマルブランケット」を提供しました。

採取装置と、試料カプセルの「分離スプリング」のばねは、神奈川県横浜市にある従業員30名ほどの町工場が提供しました。

そして、その採取時に点灯する「ランプ」は、神奈川県海老名市にある創業100年、従業員40名の石英ガラス加工専門の町工場製です。

衝突処置の「銅板」は、東京都瑞穂町にある電子ビーム溶接を得意とする60名ほどの工場で溶接しています。

まさに、町工場のコラボレーションです。

以前、はやぶさ初号機の映画を見たことがありますが、ここでも町工場が登場し、そのアイデアや技術が紹介されていました。 このように、今回のミッション成功の裏には、
小規模ながらキラリと光る技術力、ものづくり力が支えていることがよくわかります。

今後、採取された「竜宮の玉手箱」の試料から、太陽系起源が解き明かされるのか?
また、11年後「はやぶさ2」は直径30mしかない小型小惑星へ降り立つことができるのか?

コロナ禍での辛いニュースが多い中、夢や希望がもてるワクワクする明るいニュースでした。


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