VSM(バリューストリームマップ)とは?製造業で活躍する改善ツールを解説
●製造業での改善ツール「バリューストリームマップ」とは?
トヨタ生産方式(TPS)は、世界へ広がり、米国ではこれらを研究し、「リーン生産方式」(leanは贅肉が取れたいう意味)として体系化され広まっています。
TPSは、その柱である、「7つのムダの削減」や「ジャストインタイム」に代表される現場主義であり、活動を通した理念でもあります。従って、製造業以外の業種にも広がって、事例なども多数発表されています。
さて、IT業界おけるソフトウェア開発も、これらの考え方を参考に、「リーンソフトウェア開発」と称し、その手法が発表&実行されています。
ソフトウェア開発における「ムダ」とは、「顧客に価値を提供しないものを作る事」と定義しています。これは、プログラミング完了が目標ではなく、出来たものがそれを利用する人にとって価値となったか? という視点です。
その分析、改善ツールとして、「バリューストリームマップ(VSM)」価値の流れ図、というものがあります。
VMSは、「ソフトウェア開発サイクルのモノと情報の流れを可視化する」手法と言えます。
完成したマップは、工場における「設計~調達~製造~在庫」そして、お客様へ製品が届けられる「出荷」と同じような図になります。(イメージ図はVMSで画像検索してみて下さい)
●バリューストリームマップの進め方
その方法は、関係者が全員集まり、分析する業務(細分化してタスクとする場合が多い)を、模造紙やホワイトボードへ、手書きで描きます。
描き方は、業務のボックス図を、必ず、顧客側(左から右へ業務が流れるのであれば、右側から)描き、業務間を線で結びます。(下流工程から上流工程へ描く)
複雑にしないため、イレギュラー作業は省きますが、下記の手法で進めていきます。
①手戻りが発生する場合などは、その率などを記入します。
②また、業務ボックスには、処理を行う人数、処理時間、待ち時間などを記載していき、全体を仕上げます。
③最後に参加メンバーで、ムダのマークを記載していき、価値を生む作業、ムダな作業を明確し、分析・ディスカッションをし、改善案を検討します。
ムダのマークは、当該業務で発生するムダを重要度(影響度)に応じ、予め記号化しておきます。
例えば、W=waiting 待ちの作業、EP=Extra Process 、価値を生まない作業、H=Hero ヒーロー 特定の人しかできない作業などです。
それにより、価値を届ける事を重視した、新たなマップの総リードタイムや総待ち時間を計算し、改善前と比較し、評価を行います。
この考えは、工場における、工程改善と全く同じだと思います。、リードタイム短縮や仕掛在庫の削減など、ムダを排除し、価値を生む活動を行うという事だと思います。
みなさんの工場でも、「バリューストリームマップ」を改善ツールとして活用してみては如何でしょうか?
関係者が集まり、ディスカッションするだけでも、効果があると思います。